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コラム

やりっぱなし研修撲滅宣言! ~今日から始める行動定着型研修~

株式会社ネットマン 代表 永谷 研一

第16回 アメリカのHRD担当者は修士

2014.10.06

先日、「やりっぱなしの研修撲滅宣言!セミナー」を
行いました。

研修ベンダーや企業の人材育成担当者が集まり、
「なぜ、研修はやりっぱなしになるのか?」
という“問い”で意見を述べ合い、大いに議論し、
参加者から様々な角度で有益な意見が出ました。

そこで
今回から4回連続で「セミナーで出た意見にコメントする」形で
コラムを書きたいと思います。

第1回目に取り上げる意見は以下です。

—–
ある教育ベンダー役員A氏より、
 
 「アメリカの企業の人材育成の担当者は
 教育を専門的に大学で学んでいる。
 ほとんどが修士である。
 日本は素人が人事・人材育成部門に配属され、
 研修を企画・実施している。そこが問題だ。」

—–

この意見に対してコラムを書きます。

半分は同感します。

専門的な知識の習得は重要だからです。

研修担当者はインストラクショナルデザインの本は読むべきだし、
・ガニエの9事象
・ケラーのARCSモデル
くらいは他人に説明できるレベルで知っているべきと思います。

通常インストラクショナルデザインの基礎を学ぶためには
2日間(約8時間×2=16時間)の学習時間が必要です。
また実践して身につけるためには3年の実務経験が必要でしょう。

ところが、実際は勉強時間がなかなか取れないのが現実です。
そして何から勉強すればいいか指南してくれる人が周りに
いない現実もあります。
そこで、十分な経験もなく「研修を企画」している現実があります。

私は誰もが「修士レベル」になる必要はないと思っています。
日本の企業においては、一度人材育成部門に配属されたとしても
また配置転換が起きる可能性が高いのです。

勉強時間も1週間に3時間程度あれば十分と思います。
3時間なら、どんな仕事であっても同じこと。
何の仕事でも、自分の仕事の質を高め続けなければ通用しません。

そこで大事なのは以下の2点です。

・どのような勉強をすべきか
・どのように学習効率を上げるか

要はピンポイントで勉強し、少ない勉強時間であっても
最大に効果を発揮すればいいのです。

しかし、むやみやたらに勉強してもしょうがありません。
そして、「本を読む時間だけが学習時間」という考えも誤りです。

私のオススメは
「研究会への参加」
です。

世の中には様々な教育系の研究会が存在します。
私もNPO法人 人材育成マネジメント研究会の理事長として、
気軽に学べる機会を提供しています。
( http://hrdm.jp 参照 )

また、学会もあります。私の参加している情報コミュニケーション学会や
教育工学会だけでなく、ICT活用を目的とした日本デジタル教科書学会など、
特化した学会もあります。

学会に参加することは実はとても敷居が低いのです。
誰でも研究成果の発表会に参加できます。
そこで自分の目的にあった論文を発見したり
引用されている先行研究を調べたりできるのです。

そして一番効率的な勉強法は、研究会で出会った人に
聞くことです。勇気を持って声をかけてみましょう。
きっと「こんなテーマならこんなことしたらいいよ」などと
的確なアドバイスをもらえることでしょう。

とても効率のいい勉強の機会となるのは間違いありません。
どんどんスキルアップしていきます。1年も経てば会社の中で
一目置かれる存在になることでしょう。

さあ!
『人材育成担当者よ。研究会を活用して効率的に勉強しよう』

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永谷研一 著
『人材育成担当者のための 絶対に行動定着させる技術』(ProFuture)
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