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コラム

やりっぱなし研修撲滅宣言! ~今日から始める行動定着型研修~

株式会社ネットマン 代表 永谷 研一

第45回 「できたこと」を疑う思考術

2016.03.30

先日ある企業の管理職研修を行いました。

この企業では半年前に、
この管理職40人に管理職研修が行われていました。

内容は「安全、品質、部下育成、組織マネジメント」についての
意識改革を推し進めるものでした。

今回私が受けもった研修は、
PDCFAメソッドの知識とスキルを習得することが目的でしたが、
この半年前の研修で決めたアクションプランについての
実践状況を確認することから始めました。

私からの質問は3つです。

Q1:半年前の研修で計画された取り組みは何ですか?
Q2:実際に継続的に実践した行動は何ですか?
Q3:計画通り「できたこと」「できたかったこと」をあげて、
  その理由(原因)を考察し、どうすべきだったかを記述して下さい。

A4のワークシートを配り、書いてもらいました。
そこで気づいたことは

 ・圧倒的に「できなかった」ことへの考察が多い。

ということです。

意識が高い管理職の皆さんですから、
自分を律して反省している姿は素晴らしいとは思います。

ところが、「できたこと」への考察が少ないということは

・深い思考をしていない

ことと同じことに気づく必要があります。

要は、

・本当に「できた」と言えるのか?

という問いです。

行動計画が「できた」から◯、
「できなかった」から×ではないのです。
そこからどれだけ深く考え抜くことができるのか、ということです。

”ルーティンをこなす、仕事をさばく”、という考えでは
「できたこと」を疑いようがありません。

しかし、「ありたい姿」に向かって、
”仕事の質を高める”という考えになれば、
「できたこと」を疑ってみる目が生まれます。

これを上位思考といいます。
上から事実を見るということです。

日々複雑な問題と対峙している管理職の方々が浅い思考では、
仕事を前に進めることができず堂々巡りになってしまいます。

そこで必要なのが「クリティカルシンキング」です。

批判的思考と訳されることが多いですが、
私は「本質追究思考」と訳した方がいいと思っています。

要は物事を深く追究して、その根本原因にたどり着く思考法です。
そのために週一回程度は立ち止まり、
自分の「ものの見方」を疑う思考をする必要があるのです。

皆さんの思考法はどうでしょうか。
「できなかったこと」ばかりに目がいっていませんか?
「できたこと」を深く考えずスルーしてしまっていませんか?

研修でのどのような思考法を身につけさせるかも
重要な研修デザインの1つなのです。

さあ!
『研修担当の皆さん!「できたこと」を疑わせ、より深く考えさせよう。』

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永谷研一 著
『人材育成担当者のための 絶対に行動定着させる技術』(ProFuture)
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