このメソッドとITシステムの融合で全ての研修に行動変容とエビデンスを。

コラム

やりっぱなし研修撲滅宣言! ~今日から始める行動定着型研修~

株式会社ネットマン 代表 永谷 研一

第53回 フィードバックの真骨頂

2016.07.20

チーム内での成長を促すためには
相互フィードバックが有効です。

自分で気づかないことも、
周りによって気づかされることがあるし、
何より「一人でない」状態により、
「自分もやらねば」というモチベーションのアップにつながります。

目標達成のための行動習慣化メソッド「PDCFAサイクル」のFは、
フィードバックのFです。
PDCAサイクルの問題は、途中でサイクルが回らなくなることです。
孤軍奮闘は継続の敵です。
そこでPDCAサイクルを回し続けるために、
周りとの関係性を活用していこうというもの、
それがFが加わる理由です。

「PDCFAサイクル」メソッドのFは以下の構造です。

共感+質問

目的は、相手の行動が変わるような気づきを与えること。
それが「質問」すなわち「問いかけ」です。
相手がもう一回頭を使って深く考えることを促す
ということですね。

この「問いかけ」が相手だけでなく、
「自分」に影響を及ぼすことがデータでわかってきました。

最近私がパートナー企業と大学とともに共同研究している分野に、

EQの成長とフィードバックの相関関係

があります。
流れは以下です。

・EQのサーベイ(A)
・1日研修
・ActionT.C.(行動習慣化システム)3ヶ月
・再びEQサーベイ(B)

B-AのデータをEQの成長データとして捉えます。
EQの成長とActionT.C.から得られるデータの
相関関係を調査するのですがわかったことがあります。

ある企業のリーダー研修でのデータを調査したところ、
フィードバックする数や文字数とEQの中の「楽観性」など、
いくつかの項目の成長に相関関係が発見されました。
(*この研究はある学会に論文投稿されました)

すなわち人にフィードバックをすると
EQが成長するということです。

これは画期的な発見です。
昔から「人の振り見て我が振り直せ」「情けは人のためにならず」
と言われてきていますし、
認知心理の研究ではフィードバックループという研究があります。
私の書籍では「ブーメラン効果」を書きました。

要は、人にフィードバックすると自分が成長するということ。
フィードバックを”受ける”ではなく”与える”ことが、
自分のためになるというのです。

チームのためにがんばれ!というのは簡単。
でもなかなかコミットメントさせることが難しい場面があります。
しかし、「あなたのためにこそ人に関わろう」
というのは同意させやすいでしょう。

人にどんどん関わり、フィードバックすることで、
自分自身が気づき成長できるのです。

相手が得をするのではなく自分が得をする。
これがPDCFAサイクルのメソッドにおける
フィードバックの真骨頂と言えるのです。

さあ!
『研修担当の皆さん!フィードバックのブーメラン効果を活用しよう!』

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永谷研一 著
『人材育成担当者のための 絶対に行動定着させる技術』(ProFuture)
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